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「溢れる思い」〜発達心理学シリーズ①〜

田中カウンセラー
 
こんにちは!
カウンセラーの 田中 里美 です。

プロフィールに書いてありますが‥
私は、元保育士です(^^)

私が、カウンセラーを志した一番の理由は、
保育士時代に、実践の中で‥「子どもの言動よりも、心を見つめる大切さ」を、学んだからでした。

そんな実践の中から学んだ‥発達心理は、今でも私の中で‥大切な経験値だと思っています。

そこで、この経験をもとに‥
田中里美の「発達心理学シリーズ」として、記事を書いていこうかな‥と、思い立ちました!

子どもの心の発達をベースにしていますが、
大人にも応用出来るように、お伝えしていきたいと思いますので‥子育て中じゃない方にも、読んで頂けたら幸いです。

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発達心理学シリーズ ①

「 溢れる思い 」

私は、保育士時代に「困った行動」を起こす子に、たくさん出会いました。

その中の一つ「噛みつき」について、お話します。

1歳半〜2歳半児クラスでは、お友達に噛みつく‥という行動をする子を、たまに見かけます。

この「噛みつく」という行動は、本当に困ります。
噛まれたお友達は、痛くて泣いてしまいます。
噛まれたところを、氷で冷やして‥腫れは引きますが、歯型の跡が‥クッキリと残ってしまいます。

可愛い我が子が痛い思いをして、身体に‥クッキリと歯型が残ること、お母さんからしたら‥堪らないですよね。

噛みつきの跡は、2〜3日で消えます。
でも、噛まれたショックは、なかなか消えないかもしれません。
 
お大切なお子さんをお預かりしている、保育士として、迎えの保護者に‥その跡を見せて、噛んだ相手の子の名前は伏せて、お詫びをします。
保育中に起きた事故として‥誠意をもって対応していました。

☆☆☆

さてこの‥
1歳半〜2歳半児クラスに多い困り事「噛み付き」
一体なぜ、お友達に噛み付く子は、この月齢に多いのか‥

それは「言葉の発達」と、大きく関係があります。

1歳を過ぎ、歩行の安定に伴い、脳(心)の発達も著しく‥1歳過ぎたあたりから、自我が芽生えて来ます。

だんだんと「自分」という存在を認識していき、

「〜をやりたい!」
「○○が欲しい!」
「自分でやりたい!」

‥という、自分の意思による意欲が出て来ます。

いわゆる「第一反抗期(イヤイヤ期)」への、第一歩となります。

少しずつ‥言葉を獲得していくのも、この時期ですが、言葉の発達は、個人差がとても大きいです。

①自分の意思を、言葉と身振り手振りで、上手に大人に伝えられる子

②なかなか言葉が出ないが、自分の意思を伝えたいという「心」だけが、どんどん発達している子

①②のような‥言葉の早い子と、ゆっくりな子が、同じ保育室で過ごしているわけです。

「噛みつき」をする子は、言葉はまだ出ないけど、伝えたい気持ちは育っている‥圧倒的に、②のような子に多い行動です。

☆☆☆

例えば‥お友達との玩具の取り合い、場所の取り合い、保育士を独占したい気持ち  など、

「この玩具、僕が使ってたんだよ!」
「ここは、僕の場所だよ!」
「僕も、先生の隣に座りたいよ!」

このような気持ちが、溢れて来て、苦しいけれど‥まだ言葉で伝えられないから「噛みつく」という行動で、一生懸命に意思表示しているのです。
決して、お友達に意地悪をしているのではありません。

このように、行動の意図(心)には、必ずその子なりの理由があります。

噛みつかれて泣いている子は、かわいそうです。
「痛かったね‥」と、保育士が抱っこして、噛まれたところを冷やします。

では‥噛みついた子は、悪い子ですか?
困った子でしょうか?
 
そうではありません!

悪いのは‥「噛みつくという行動」であり、その子は、決して悪い子ではありません。

困るのは「噛みつくという行動」であり、その子を、困った子 という目で見てはいけません。

悪い子ねと叱ったり、困った子ね‥という態度で接していると、噛みつきは更にひどくなります。

何故ひどくなるかわかりますか?
「僕の気持ちわかってよ!」という気持ちが、更に強くなるからです。

ちゃんとわかってるよ。
○○ちゃんが悪いんじゃないよね‥
言葉で伝えられない分、伝えたい気持ちが‥思いが、溢れてきちゃったんだよね‥
噛みつかずには、いられないくらい、自分の気持ちを伝えたかったんだよね‥

私は、そんな気持ちで、噛みついた子を、ぎゅう〜ッと抱きしめてあげ、こう伝えます。
「○○ちゃんの気持ち‥わかったよ。でもね、噛んだらお友達痛いよね、噛んだらいけないよ。」

まだ言葉が話せなくても、ちゃんと伝わると信じて話します。
全保育士が共通認識し、同じように対応します。

噛みつくたびに、抱きしめて、気持ちを受け止めて、噛んだらいけないよと、叱るのではなく、伝える。

これを繰り返していきます。

すると‥「噛みつく」という行動をしそうになった時に、ハッとして、やめたり‥保育士の顔を見て、泣いて、抱きついてきたり‥

そして、いつの間にか‥
「噛みつき」という行動は消えていきます!

この時期の子の、お友達を叩いたりする攻撃的な行動も、同様です。
 
私は、この対応で、噛みつかなくなった子を、何人も見てきました。

☆☆☆

1歳半〜2歳半くらいの子どもが、集団生活をするにあたり、必ず「噛みつき」をする子がいることは、保育士としては、悩みの種でしたが、
「行動だけを見て叱らずに、心を見つめることで、行動を変えることが出来る!」という、大きなことを学びました。

さてこれは、1歳半〜2歳半児たちの、保育室での出来事でしたが‥
でも「行動には、必ず意図(心)がある」って、
これは、大人だって、誰だって‥同じですよね。

皆さまの周りには「困った行動(または言動)」する人‥いませんか?

「Aさんて、いつも〜するから、嫌だなぁ」
‥と、行動だけを見て‥その人を評価すると、評価している自分の心が苦しくなりませんか?

そんな時は‥ちょっと一呼吸!

「この人は、何故この行動をしているのだろう?」

‥と、行動の意図(心)を、考えてみてください。

その人の心の中には、必ず‥その行動をする理由があります。
もしかしたら「そうせずにいられない何か」が、あるかのもしれません。

相手の心を、解ろうと‥寄り添う姿勢が伝われば、
その人の「行動」に、変化が‥あるかもしれないですよ〜‥

☆田中 里美☆

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