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心理学のとびら

心の理解と活用

はじめに

このコラムは、心理学のベースとなるものを抽出して書き上げました。各章の終わりに、ポイントが書いてありますので、メモを取りながらお読みいただけると、学びが深まります。

自分の心に当てはめて考えながら、心についての学びにお役立てください。

悩みのメカニズム

私たち人間は、目の前に自分の思い通りの世界を実現しようとします。

それが、思うとおりにいかないと、ストレスが溜まります。

そして、心が苦しくなる。

それが、悩みというものです。

では、思い通りの世界を生み出そうとするエネルギーはどこから出てくるのでしょうか。

それは、あなたの無意識に刷り込まれた決めごとにあります。

例えば、カウンセラーは、こんな言葉から決めごとを感じ取ります。

人から何かされたら、必ずお返しをしなければならない。

嘘は絶対にいけないことで、常に正直でいなければならない。

生活するために一生懸命働かなければならない。

メッセージを送ったら、普通ならすぐに返信を返すはずだ。

人の嫌がることは、私は絶対にしたくない。

〇〇することが大嫌い。​

これらから、強い固定的な思考が見えてくるのです。

人は誰もが潜在的に決めごとをもっている。

人間とコンピュータ

コンピュータが誤動作を起こすことに例えると、わかりやすいかと思います。

人間コンピュータ
記憶媒体HDD
思考媒体マイクロプロセッサ
動作を決定するもの決めごとプログラム
誤作動の元過度な感情バグ
結果不都合を起こす現実誤表示、誤変換、停止

コンピュータが、記憶装置に書き込まれているプログラムに従って動作するように、人は心にしまいこまれている決めごとに従って行動します。

決めごとにそぐわないことが起きたとき、あなたの感情がバグを起こし、思考のプログラムが誤作動します。

それによって起こした行動の結果が、悩みや苦しさになっているのです。

思考のバグによる誤作動の例

​生活の中の身近な例で例えてみましょう。

​ラインのメッセージがすぐに返ってこなかった友人を責める。➡メッセージの返信はすぐに返すべきだという決めごと
手伝ったのにお礼の一つもなかったので、もう二度と手伝わないと伝える。➡なにかしてもらったらお礼をいうべきだという決めごと
青信号ですぐに発車しなかったという理由でクラクションを鳴らした後続車に、文句を言う。➡相手を責め立てるべきではないという決めごと

すべて、何らかの感情が過度に働いた上で、思考のプログラム通りに起こした行動と言えます。

マイナス感情を放出することは、周りに敵を作り出し、あなたの人生に生きづらさをもたらすことになります。

決めごと→感情のバグ→自動思考→不都合を起こす行動→心の悩み
人の心の中には、長い間に形成された思考のプログラムが存在している。
思考のプログラムは、決めごとから行動への道筋で可視化できる。

コンピュータと人との決定的な違い

ただ、コンピュータにはない働きが、人にはあります。

それは、絶えず認知を繰り返し、自らの記憶装置に上書きしたり、書き換えをしたりしていることです。

人のすごさは、ここにあります。

自らの力で変容を成し遂げる可能性を十分に持っていることなんです。

そこに、人としての大きなエネルギーがあります。

人には自然治癒力と言うエネルギーが備わっている。

認知の方法

人は、長い人生の中で経験を積み重ねながら、物事をとらえる独自の方法を作り上げています。

​例えば、こんな時にどんなことを思いますか。

​「普段仲のいい友人にSNSで食事のお誘いをしたところ、一日たっても返事がありません。」

​自分は嫌われているかもしれない。
すぐに返信をくれないなんて、あまりにも非常識だ。
仕事が忙しくて、今は返信ができないのかもしれない。

一つの事実に対して人それぞれの受け取り方があるわけです。

このような「事実の受け取り方」を「認知」と呼んでいます。

ここで、大切なことは、認知のあり方で感情の湧き方が変わってくるということです。

では、それぞれどのような感情になるか予想してみましょう。

自分は嫌われているかもしれない。→不安・心配・悲しさ・寂しさ
即返信をしないなんて、相手は非常識だ!→不快・怒り・憤り
相手は仕事が忙しくて、今は返信ができないのかもしれない。→容認・安心・落着き

つらい、悲しい、さびしい、怒り、楽しい、嬉しい・・・人間には様々な感情がありますが、その感情に影響を与えているのは、認知の在り方です。

​目の前に映し出す風景は、自分だけのものです。他の人には、同じようには映らないのです。

​カウンセリングでは、感情と認知とを切り離し、自分の認知の在り方に気づいていただきながら、心の仕組みを正しく学んでいきます。

自分の認知を知り、そのスキーム(枠組み)を広げることが大切である。

​ マイナス感情を生み出すもと

まず、思考と行動について考えてみましょう。

人は生活経験から身に付けた「考えて行動する」ことを当たり前のように行います。ところが、この思考が行動に進むときについて回る存在があります。

それが感情です。

例えば、あなたがカフェで受けたウェイトレスの粗暴な振る舞いに対して、なんて失礼な態度だと憤慨したとします。

また、会社で部下があなたにきちんと挨拶をしないで通り過ぎたら、見下されたと感じて、その部下に対して嫌悪感を持ちます。

​では、このようなマイナス感情はその後どうなっていくのでしょうか。

​あなたの思考パターンによって、湧き上がった感情は、瞬時に相手を評価し、行動に発展していきます。

​上の場合だと、「給仕は客に対して丁寧にふるまうべきだ」というあなたの思考に照らして、あなたは瞬時に評価を下したといえます。また、「部下は上司に従順でなければならない。」というあなたの思考が、無礼な振る舞いをするやつだと評価を下したのです。

このように、人は知らず知らずして、周りに対して評価を下しているのです。これは、感情と連結されています。テレビを見ていたら嫌いな人が出演していたとか、他国で地震があったなどのニュースでは、感情が揺れ動くことはありません。それは、自分を脅かすほどのことではないからです。

でも、こと自分自身が被害を受けたと感じ、守りに入ったときに、自分の評価基準という物差しで評価を下すのです。

​評価自体は、自然な行為であり、それほど気にすることはありません。ただ、評価がマイナス感情から起こり、しかも過大な場合には、相手にそれをやり返す行動に発展することにもなり、最終的には自分が苦しさを抱えることになります。

こういう思考、行動傾向をお持ちの方は、辛い生き方を歩んでいくことになりかねません。


私の教師時代にあったことです。挨拶をしないある後輩に対して、初めは不快な感情を抱きました。しかし、彼があいさつをきちんとしない理由は何だろうと考え、彼の行動を観察しているうちに、じっと思考を巡らしているときには周りが見えなくなりやすいということがわかってきました。私は、それを理解することで自分自身の許せなさ(決めごと)を感じることができ、不快な感情も消えました。そして、彼の理解者として親身になって授業方法について指導しました。後年、私が教務主任になったとき、今度は彼が私の提案を支援してくれる力強い存在になりました。​


人間は、感情を持つ生き物です。その感情傾向を知っておくことは、大切なことです。自然に湧き上がるマイナス感情を意識するためにも、自分の傾向性をつかみましょう。

敏感すぎる

神経質で細かなことや人の言動を過度に気にしやすい人は、思考する対象も必要以上に多く、結果としてマイナス感情を持ちやすくなります。気にすべきことと気にする必要のないものの振り分けする見極め力をはぐくむ必要があります。

悲観的である

理由もなく物事をどんどん悪いほうに予測し、自ら不安のタネを作り出す傾向のある人は、マイナス感情を持ちやすく、またそれをふくらめやすい性質もあります。「自分はついていない。」「自分は不幸である。」と思い込んでいる人が多く、まずはそれを払しょくすることが必要です。

過剰な期待をもっている

理想が高く、ものごとに対して高い期待を抱きやすい人は、現実の出来事に対してマイナス感情につながることが多いのです。これが人に向けられると、過度な期待があだとなって、正常な人間関係を築く妨げにもなります。期待値をある程度下げ、ものごとを等身大にとらえるように努めましょう。

ネガティブな解釈をしがちである

ちょっとしたことで「ばかにされた。」「見下された。」と感じるなど、ネガティブな解釈がマイナス感情を生み出しているものです。自分らしさを保つためにも、他人についての解釈にはポジティブな解釈も合わせ持つようなトレーニングをしましょう。

自分が無力だと思っている

苦手なことを避けようとしたり、人前で目立ちたくないなどと考えている人は、自ら問題に対する対策の幅を狭めてしまいます。こうしたことで、無力感を生み出し、マイナス感情につながっていきます。自分が持つ潜在能力に気づき、自信を深めることが大切です。

いいわけが先に立つ

問題に対して、「何をすべきか」はわかっていても、いいわけが先に立ち、実行を回避しようとするため、問題解決に進むことができず、その結果、無力感を感じてマイナス感情につながっていきます。いいわけは習慣にもよるところなので、それを自覚し、いいわけが先に出ない習慣作りが必要です。

ものごとに固執しすぎる

自分の過去や現在解決がつかない問題を先送りすることができにくい人がいます。このような人は、これ以上考えても無駄だと頭の切り替えがなかなかできずに、マイナス感情がループすることが多いのです。諦めるとか別の思考に切り替えるというスイッチを効かせられるようにすることが心を軽くする第一歩です。

​性格診断については、エゴグラムがおすすめです。

感情には、そもそもプラスもマイナスもありません。表裏一体、誰もが併せ持っているものですから。

自他に敵を作り出すものが、マイナス感情と呼んでいるだけです。反対に、周りに喜びや愛を与え、味方にしていくエネルギーをもつものが、プラス感情です。

​いかにして活用できるかを学んで、身に付けていくことが重要課題と言えるでしょう。

マイナス感情をコントロールするすべを持つこと。

​プラスとマイナスは表裏一体のものであって、マイナスがあればプラスも存在していると強く信じること。

本能的に働く防衛機制

人は、自分自身が変わることを、極端に怖れます。

心は、本能的に、今のままを維持するようにはたらきます。

そのはたらきを示すのが、防衛機制です。

防衛機制とは、周りに何か受け入れがたいことが起こったり、または自分自身が本能的に危険な状況にさらされたりした時に、自ら不安を軽減しようとする心理的反応のことを言います。​

逃避 辛い状況から離れることで、不安・緊張・恐怖から、自分自身を守ろうとする。
(例)ストレスが原因で会社を休む。
抑圧 現在の感情や欲求不満を抑え込み、思い出さないようにする。
(例)親から言われたひどい言葉をもう忘れようと思う。
投影 望ましくない感情や衝動を他人が持っていることにしようとする。
(例)私があの人を嫌っているのではなく、あの人が私を嫌っていると思う。
反動形成 抑圧されている強い感情や衝動とは正反対の行動をしようとする。
(例)本当は好きな人にそっけない態度をとろうとする。
同一視 他人の優れた能力や実績を自分に当てはめることで願いを実現しようとする。
(例)好きな俳優と同じ髪型にする。
合理化 もっともらしい理由をつけて、自分の失敗や好ましくない出来事を正当化する。
(例)私には時間がないから、やりたいことができない。
補償 苦手なことから生まれる劣等感を解消するために、他の分野で努力すること。
(例)運動の苦手な子が、ピアノを一生懸命練習する。
昇華 社会的に認められない抑圧された欲求や衝動を、価値のあることに置き換える。
(例)性的な欲求を、会社での業務に向けて業績を上げる。
置き換え 特定の対象に向けられた欲求や衝動を他の対象に向けること。
(例)子育てでストレスをためた人が、つい夫につらく当たる。
否認 現実として認めることができないことを拒否しようとする。
(例)がんと宣告された人が、それは誤診だと考える。

​心理学者ヴァイラントは、防衛機制を4段階に分類しています。

レベル1 精神病的防衛  否認
レベル2 未熟な防衛 投影
レベル3 神経症的防衛 合理化・抑圧
レベル4 成熟した防衛 昇華

また、生物学や脳科学の分野でも、防衛機制のはたらきが立証されています。

​その1 攻撃すること

古来、人間は我が身を脅かす存在に対して、本能的に身を守るために外的と戦ってきました。そうして、先祖から代々DNAとして受け継がれたものが脳に書き込まれ、本能として身に付けています。

社会生活においてこれが過剰に働くと、他への攻撃性を生み出してしまいます。過剰な防衛本能が、自分が実現したいことを邪魔するものや人に対して、「やられる前にやっつけてしまおう」という行動に発展することがあるのです。そして、その結果として身の周りに敵を作り出すことになり、反対に苦しさを受け取ることになってしまいます。

その2 慣れること

どんなに好きな食べ物でも連日食べれば飽きがきます。脳は、初めての刺激に対しては大きく反応しますが、同じ刺激が繰り返されると、疲労するために刺激が継続することを避け、フラットな状態に和らげようとする働きがあります。これが、飽きることによる防衛本能です。

良い刺激であっても、その刺激が繰り返されれば、脳は疲弊してしまいます。反対に、肉体的な痛みや精神的な苦痛を受け続けることに反応し続ける場合には、慣れることでそのストレスを軽減しようとします。

新しく勤め始めた仕事に初めは緊張感をもって取り組んでいたのに、しだいにその緊張感を緩和するために慣れが生じて、手を抜いたり、正確さや慎重さを欠いたりして、重大なミスにつながることがあります。

​また、結婚当初は、お互いのことをわかり合い、愛情をたっぷり感じ合っていたのに、しだいに物足りなさや飽きが生じます。しかし、慣れることで、自我の抑制がきかなくなり、夫婦げんか・浮気・不倫につながったりします。

このように、我々の行動は自覚することのない本能的に持つプログラムに従って引き起こされていることがあります。

人が、身を守るために使われているのが防衛機制である。
生物学や脳科学の視点からも、それは本能的にも働くものである。

潜在意識の領域

フロイトやユングの研究で有名な意識・潜在意識の概念があります。

意識しようとしてもできない心の領域を意味し、ここには忘れてしまいたい記憶・抑圧された感情・生成された感覚・見えない願望などが押し込まれています。

意識と潜在意識の関係は、氷山に例えられることがあります。

​意識とは目に見える水面に浮かぶほんの一部分で、潜在意識とは見ることのできない水面下にある巨大な部分です。

私たちの潜在意識は、生まれてから今までの経験によって作られていると言われています。

多くは、幼少期の時に親や周りの人たちから言われたことや、その生活環境などからその人なりの思考パターン・反応・思いこみを形成しています。​

いくら言ってもわかってもらえなかった悲しさ。

母親が外で働いて、一人で留守番をしていたときの寂しさ。

​子供のときに学校でいじめを受け、誰にも打ち明けることができなかった悔しさ。

感情は潜在意識の中に眠っています。

人の意識は、この潜在意識が9割を占めるとまで言われています。

潜在意識は、普段は自覚することはなく、その存在を考えることもありません。

しかし、誰もが氷山の地盤のようにもっているものです。

そして、人は気がつかないうちに、この潜在意識からのメッセージを受け取って行動しています。

潜在意識の領域で起こっていることは、心理学の中である程度体系化されてはいますが、実際は未知の部分がたくさんあり、今後ますます解明されていく分野です。

​潜在意識の中に本当の自分が存在している。

カウンセリングは、これを意識の領域に引き出していく作業である。

サーカス象の話

下の小さな象の話は、よく心理学で引き合いに出される例です。

サーカスの象は、小さい頃に足を鎖でつながれていて、初めのころは鎖から逃れようとしますが、暴れれば暴れるほど足の鎖が肉に食い込み、痛みに耐えきれずに最後にはあきらめてしまいます。そして、大きくなり、巨大な力が備わっても鎖を切って逃げようとしなくなります。なぜなら、小さい頃に「鎖は切れないものだ。」という観念が備わってしまったからなのです。

動物でも人間でも、困難な状況に対して防衛本能が働き、それを思考のプログラムとして学習します。例えば、親から度々叱られた経験は、「おとなしくしていればいい。」「言うとおりにしよう。」という観念を生み出します。これが、心の中に思考パターンとして定着して、成長してからもそれに従って行動するようになるのです。

これは無意識の領域に定着するので、たとえ成人になって、生活環境が変わっても、目に見えない鎖につながれていて、縛りを受け続けるというのです。

そして経験を積むほどに、学習したことは定着していき、行動が習慣化されていくのです。そのために、この思考パターンを拭い去ることは容易ではありません。しかも、それを自ら必死に守ろうとさえするのです。周りの人が、「あなた、間違ってるわよ。」と言われても、なかなか行動を変えることができないのも、防衛機制によるものです。

しかし、人間の脳は、至ってシンプルです。

よりよいものだと認識さえすれば、以前の思考パターンはいとも簡単に変わります。

現在、結果として苦しさを受け取っているのなら、その原因となる思考を変えてみようと思うことは、脳で考える人間だからこそできる自然な行為と言えます。

子ども時代の防衛機制によって、固定的な思考が形成されている。
思考は、学習することにより進化していく。

過去のトラウマ

子象の体験と似ていて、人間にも同様のことが起こりえます。誰にでも、この小象と似たような状況をもちながら大人になっているのです。あなたは「子供のころにあった思い出したくないこと」が思い浮かびますか。

例えば下のような経験です。

​子供のときに親から叱られた経験
親が言っていた受け入れ難い口癖
親がしていた理不尽と思える態度
大人の言動から受けた悪影響
子供のときに心が傷ついた体験
子供のとき失敗した経験

傷ついた心は、心理学では「トラウマ」と呼ばれます。

人の心が昔に向いたときには、それが何か取り残しているものや未解決なものがあるサインなのです。

​例えば、親から叱られた言葉がよみがえってくるのなら、わかってもらいたかった心を抱きしめてください。

​親に愛されなかったのなら、愛されたかった子どもの自分を抱きしめてあげてください。

未だに癒されない心を持っていれば、

​感情をたっぷりと感じる→自らを癒す→抱きしめる→あきらめる→手放す

の手順で、心を手放す段階にまで順にすすめていきましょう。

変えられないものに時間を費やし、踏みとどまっているのは、大きなエネルギーロスであり、時間の無駄遣いです。

なぜなら、そう決めることも、前へ進むことも、あなた一人で決断し、行動できることですから。

変えるべきは、そこから作られた自分の思考パターンです。

変えられないものは、自分自身を受容し、深く感じることで癒すことができる。
思考癖という原因を変えれば、受け取る結果が変わる。

インナーチャイルド

「インナーチャイルド」という言葉をご存知でしょうか。

これは、子供時代の頃の記憶や心情、感傷が大人になってもずっと存在している事を指します。

例えば、たまたま親が働いて忙しくてかまってもらえなかった子ども時代。

本当は親が忙しいのは、子供にいい生活をさせたいからなのですが、それを自分は愛されていないと思い込み、それが原因でその心を埋め合わせるような行動につながっていきます。

​こんなカウンセリング事例があります。


子どもの頃、私は両親からああしなさい、こうしなさいと言われ続けてきました。父親は厳格な人で、私は親の所有物のような存在でした。何か言ったら叱られそうな気がして、私は自分の本心を押し殺して生きてきました。高校も大学も、就職先も親の望むとおりになり、親は私を自慢の息子だと思っています。現在も、金銭的に不自由はありませんが、まったく自分の人生を生きている気がしません。父親には、憎しみしか感じません。母親にも、何で自分の気持ちを分かってくれないんだと今でも思い続けています。もし、この気持ちが外せたら、どんなに楽に生きられるのだろうとよく考えます。


ここからは、本当の自分の感情にフタをして、親の価値観をただただ受け入れようとしてきたインナーチャイルドの姿が垣間見えます。

親や周りの大人にどんな理不尽な事を言われても、子供はそれらを受け入れることしかできません。

なぜなら、それが子どもが生きていく唯一の方法だからです。

悪い事をしていないのに「自分が悪いんだ」と認めることで解決したり、「言う事を聞いていれば、かわいがってもらえる」と子どもは判断を下すのです。

よくよく伺ってみると、実際には、このお父様は、子どものことが目に入れてもいたくないほどかわいいと思っていて、失敗や痛い思いをさせたくないとの理由から、このような子育てになってしまったのだそうです。

つまり、父親の真の愛情に気づくことができなくて、ゆがんだ感情をずっと持ち続けていたのです。

特に、子ども時代のことなので、父親の行動の背景まで読み取ることはできなかったのです。

小さい時に思い込んでしまった一つ一つの小さな感情を、大人になった本人はよく覚えてはいません。

でも、これらが、大人になった自分の思考や行動に多くの影響を与えています。

大人になっても、知らず知らずのうちに自分を悪者にしたり、嫌だと言えずなんでも人のいうなりにしてしまうのは、まさにインナーチャイルドと深くかかわっていることです。

「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、3歳ごろまでに受けた教育によって形成された性質・性格は、100歳になっても根底は変わらないと言われます。

子どものころに身に付けた思考癖は、環境や経験によって強化され、人の心の中で存在を大きくしつつ思考パターン(思考癖)を形成していることを表しています。

これが今の苦しさや辛さを生み出している原因になっています。

インナーチャイルドとは、深層意識に書き込まれた子ども時代の自己防衛機制。自分らしさを抑圧し、ずっと心を縛り続ける働きがある。
潜在意識の領域には、思考パターンが存在し、それによって行動を起こしている。その行動の結果を現在受け取っている。思考パターンが原因であり、悩みはその結果である。​

アダルトチルドレン

アダルトチルドレンという言葉は、最近は様々な場で取り上げられています。

家庭としての正常な機能をもたない環境の中で成長したために、大人になってからも心に傷を持っている人のことを意味します。

​夫婦仲が悪い家庭で育った。
アルコール、ギャンブル、薬物依存症の親のもとで育った。
借金があり、いつも金銭的な苦労を強いられていた。
子供に対して過保護または過干渉の家庭で育った。
親の夢を押し付けられ、言いなりになってきた。
子供を虐待する親に育てられた。
​親にずっと否定的な言葉を浴びせられ続けてきた。
介護が必要な病人がいて、その介護に全てを費やされていた。
宗教を信仰していて、入信するのが当然と考えられていた。

自分の意思や欲求を表現することが許されないというのが、これらの家庭環境に共通する特徴です。

このような機能不全家庭においては、子供は親から守られず、また愛情や教育を十分に受けることもないまま成長してしまうケースが多い傾向にあります。

そのため、成長してからも上手く社会に適応することが出来なかったり、人付き合いの仕方が分からなかったりするなど、様々な問題を抱え込むことになってしまうのです。

アダルトチルドレンの特徴

また、アダルトチルドレンがもつ特徴として、以下の症状があげられます。

​白黒をはっきりとつけたがる。➡自分と異なる考えは悪と刷り込まれている。
自分を正当化したがる。➡他者に責任の所在を持っていくことで、自分の責任を回避する。
物事を一般化したがる。➡自分の目に見えるものでしか判断できない。
一つの物事にとらわれすぎる。➡小さなことにこだわって、大局を見ることができない。
マイナス思考である。➡良い出来事でも悪いこととしてとらえてしまう。
思い込みが強い。➡自分の主観で先読みをして、妄想する。
過小評価と拡大解釈をしやすい。➡小さな失敗を過大に捉え、大きな成功を過小に捉える。
ものごとを客観的に見れない。➡自分の感情が最優先されるため、別の考え方に気づきにくい。
極端に自分を責める。➡自己肯定感の低さから、自分がすべて悪いと考える。
​不安や心配を常に抱える。➡まだ起きてもいないことへの不安や心配を先取りしてしまう。​

もし上記の10項目のどれかに自覚がある方は、アダルトチルドレンである可能性が高いです。

本当の心の回復のためには、自分の心の仕組みとはたらきを正しく理解することです。

変えられない過去や環境にとらわれて生活することは、とても苦しいことです。

アダルトチルドレンの症状

具体的には、このような表れがあります。

(1)依存症
十分に受けられなかった愛情を埋め合わせしようとする心の働きから、以下のような極端な行動に向かう傾向があります。

(関係依存)人間関係、恋愛、マザコン、エディプスコンプレクス(同性の親に対するコンプレックス)
(物質依存)アルコール、タバコ、カフェイン、薬物
(過程依存)特定の行為に対する依存、ギャンブル、摂食障害、買い物、仕事、セックス

(2)問題行動
ご自分らしさの主張を誤った形で表現してしまう行為です。

虐待、暴力、自傷行為、自殺

(3) ストレス性障害
心で抱えているストレスが、身体的な症状となって現れます。

肩こり、脱毛症、ヒステリー、過呼吸、心身症、過食症、拒食症、自律神経失調症

(4)精神障害
正しい感情の表現ができないために、歪んだ形で表現することになります。

抑うつ、パニック障害、神経症、強迫神経症、不安神経症

(5)アダルトチルドレンの世代連鎖
アダルトチルドレンの方が子供をもうけると、自分が親にされたことを子供に対しても行ってしまうケースが多いのです。そのため、自分の抱えている問題がそのまま子供に継承され、新たなアダルトチルドレンの原因となってしまうことも少なくありません。また、反面教師も同様です。自分がされたことを子どもにしないようにする両極性は、まさしく親の影響のもとにしている行為に他ならないからです。

毒親、過保護、過干渉、家庭内暴力、家庭内不和、愛情の欠如、反面教師

​​アダルトチルドレンが引き起こす防衛機制

アダルトチルドレンの生育過程では、不遇な家庭環境に対して以下のような自己防衛をします。

1 スーパーチャイルドタイプ

親から「良い子」「優秀な子」「しっかり者」と評価されるためにひたすら頑張るタイプ。「頑張ることを止めたら、親から見捨てられる」という恐怖感を常に抱えていることに加え、「結果が良ければそれで良い」「優秀でない人間には存在意義がない」という考え方になりやすいという問題点があります。また、見捨てられるという恐怖感から、自分の体調が崩れても頑張り続けてしまうという人も少なくありません。

2 問題児タイプ

トラブルを起こすことにより自分の存在を周囲に認めさせようとするタイプ。自分が悪者になることで、「この子さえいなければ我が家の問題が解消されるのに」という幻想を家族に抱かせて、家族が崩壊してしまうことを防ぐスケープゴートでもあります。「自分には価値がない」という思いから、家庭や学校で問題を起こすこともしばしば見られます。行動の奥底には、「寂しい」「助けて」という気持ちが隠されています。このタイプは成長してからも、人に対して暴力的であったり、過度の依存をしてしまったりと、人間関係をうまく構築することが出来ない傾向があります。

3 忘れられた子供タイプ

「大人しくて手がかからない子」と親から判断されてきた子に見られるタイプ。「自分は必要ない人間なんだ」という孤独感を抱えています。これは、自分の存在を目立たせないように息を潜めて生活し、緊張状態にある家庭環境から身を守ろうとしている気持ちの表れとも言えます。気持ちの奥底には誰かと深い関係を築きたいという思いがありますが、自分自身の殻を破る恐怖感から、閉鎖的で内向的な大人に成長する場合が多いです。

4 道化師タイプ

家庭内に緊張が生じると、突然おどけたりするなどの言動を取って、緊張感を和らげて問題をごまかそうとするタイプです。ムードメーカーと称されることも多いですが、場の空気を読みすぎてストレスを溜めてしまったり、自分を極端に過小評価するといった傾向も見られます。幼い頃から自分の感情を殺して道化役を演じてきたために、自分が本当は何を望んでいるのか、自分はどう感じているのか分からなくなっているケースも少なくありません。

5 世話好きタイプ

自分を殺して、ひたすら兄弟や親の面倒を見ることで家庭に問題が生じるのを防ぎ、家庭内の調整役として成長してきた人によく見られるタイプです。献身的で人間の出来た方だと評価されることもありますが、自分以外の誰かの世話をすることが全てであって、自己主張が出来なかったり、自分が何をしたいのか分からなくなっている場合があります。

​アダルトチルドレンであるご本人に、直接的な責任はありません。

機能不全家庭で育った事実は変えられませんが、それによって身に付いた思考は十分変えていくことができるのです。

あなたの思考を幸せを作り出す思考に書き換えましょう。

アダルトチルドレンであることは、決してマイナスではない。
それにより、自らの思考パターンを見つけ出すこともできるし、プラスのエネルギーに変えていくこともできる。

決めごとが生む苦しさ

人は、決めごとに従おうとすることはご説明しました。そのときに、過剰に感情がはたらき、結果として苦しさを生み出します。

こんなカウンセリング事例がありました。​


ある30代の会社員(男性)が、会社で課長職を任されました。真面目に働き、進んで残業もし、部下には業績を上げるように激を飛ばします。上司からは、信頼を受けるのですが、どうしても部下が彼についてきません。彼は、そんな部下たちを無能だと思っていました。そんな彼が、あるプロジェクトで、大きな失敗をしてしまいました。でも、だれも彼に声をかけるものはなく、手を貸してくれる人もいませんでした。一人で、事後処理に追われる中、彼の心はだんだん疲れていきました。しだいに、課長職の責任の大きさに耐えられなくなり、出社することができなくなりました。


共同作業で分担して取り組んでいたなら、連帯責任になるために、感じる責任の度合いはそれほど大きくはなかったのかもしれませんし、また普段から部下を信じて、それぞれの能力を生かして仕事をしていれば、少しでも慰めの言葉をかけてもらえたのかもしれません。

これは、彼自身が持っていた思いこみが強すぎたために、起こした結果でした。

決めごとに気づく

辛い胸の内を語っていくうちに、本当の心が見えてきました。

​彼は自らの行いを振り返って言いました。

​本来は人がやるべきことも、自分で先にやってしまっていた。

部下を信頼することができていないばかりか、能力がないと決めつけていた。

​人を自分勝手に評価し、任せることができなかった自分であったことにも気づいていきました。

その背景まで見ること

責任感はプラスに働きますが、過剰になると排他的というマイナス面をも作り出します。

​つまり、彼の思いこんだ過剰な責任感が、排他性を生み出し、エゴを生み出していたことに気づきました。

​子供のころ父親に、

「責任をとれる男になれ。」

「人に仕事を任せるのではなく、自分でやり通せ。」

自分の中には、これが心の中に疑いのないこととして定着していて、これまで彼は人の責任まで自ら引き受け、人のやるべきことも自分で引き受けてきたことが多かったというのです。

と繰り返し言い聞かされていた自分の姿を思い浮かべ、そうしなければいけないと思い込んでいた決めごとに気づかれたのでした。

父親の考えを言い聞かされたことは過去における事実です。

でも、それによりあなたが作り上げた思考や行動はあなたが起こしたものです。

​過去には、変えられないものと変えていけるものがあります。

​変えられないものは、ありのままに受け入れましょう。

​変えていけるものは、勇気を持って変え、これまでとは違った行動で、違った結果を受け取りましょう。

​この場合であれば、父親を変えることはできません。

父の教えも変えることができない事実です。

でも、それによって作り上げた、自分偏重、独走癖、周りの無能と見る思考は、変えていけるものです。

思考パターンを書き換える

​以下のことからは、それぞれの思考パターンが見えてきますが、すべて見方を変えるだけで新しい思考に書き換えることができます。

​​「嫌われるといやだから、自分の意見を言わない。」➡本当に自分の考えを言ったら嫌われますか。そう思っているだけではありませんか。​
「たくさん勉強して、いい成績を取らなければ、立派な仕事には就けない。」➡立派な仕事とは何ですか。勉強ができなくても立派な仕事についている人は大勢います。​
「教師は聖職だから、先生と呼ばれるのにふさわしい人間でなければならない。」➡教師も人間らしくあっていいのではないでしょうか。​
「一家の大黒柱なんだから、どんないやな仕事でも我慢しなければならない。」➡あなた一人だけで抱えることでしょうか。​
「女なんだから、おしとやかでなければならない。」➡誰がそう決めましたか。本心からそう考えますか。​
「私は美人ではないから、けっして人から愛されないだろう。」➡その基準はどこにありますか。

​このような、生き苦しさを生み出す思考パターンに一刻も早く気づいてください。

そして、なりたい自分の実現のために必要な思考を手に入れましょう。

過去には、変えられるものと変えられないものがある。
変えられないものは受け入れ、変えられるものを変えようとする勇気が必要である。

思い込みを手放す

子供のときには自分を守るために必要だったことも、成長して、環境も変わった今では、もはや必要なものではなく、反対に自分の足を引っ張るようになります。

自分の自由を奪い、より幸せになることの阻害要因となっていることもあります。

この思い込みを手放し、今の自分に必要な新たな考え方に変えない限り、悩みが根本から解決することはありません。

​そのためには、自分の心の仕組みを理解することが大事です。自分の思考パターンに気づき、それを特定することです。

それが生まれた背景と苦しい結果を生み出す原因となる思考の存在に気付くことができれば、その思考は必然と書き換えることを余儀なくされます。

そして、新たなセルフイメージを作り上げることで、あなたの新たな行動を作り出し、受け取る結果が変わっていくのです。

​実際のカウンセリングでは、どんな時に問題が起こっているのか、何が苦しいのかなど、お話を伺い、感情を手繰り寄せながら、悩みの本質に迫っていきます。そして、話を聞いてもらってすっきりしたというだけの表面上の解決ではなく、悩みを生み出す思考を特定し、根本的な解決を目指します。

​一人では気づくことも難しいこの作業も、カウンセラーと二人三脚ならば、乗り越えて行けます。私たちは、あなたのそんな力になれると確信しています。

心の仕組みを理解し、その黄金則を手に入れれば一生の財産になる。
良いセルフイメージは、プラス感情を増大させ、結果として幸せに向かっていくことになる。

​ 与えるものが受け取るもの

アメリカの拳銃所持については、皆さんも社会問題になっていることをご存知だと思います。


人は自らを守るために銃を発明しました。その銃で、野生の動物から身を守り、生きるために動物を撃ち殺して食料にしてきました。でも、結果として、その銃は誰もが手にすることになり、今、人々は、それにおびえて暮らしています。


つまり、自ら作り出したものに対して怖れを抱くようになったということですね。

​これは心にも当てはまることなんです。

悩みのうち、人間関係に関することが9割を占めると言われます。

中でも、

「周りの目が気になる」

「周囲の評価が気になって思うように話せない」

「周りに気を使いすぎて疲れ果ててしまっている」

という方はかなりの数でいらっしゃいます。

自分が言った言葉を気にしているのではないか。

私の行動に腹を立ててるに違いない。

周りが怖い、不安だ、心配だ。

あなたは、周りに対処しようとします。

周囲の人から嫌われないようにという考え方は、本来自分自身に使うべきエネルギーを周りに無駄に費やすことになります。そして、自分らしく振る舞おうとする心にまで制限をかけていきます。

​これは典型的な苦しい生き方です。

そう言われても、どうしても人目を気にする心がぬぐえないという人がいます。そんな方には、その不安感はどこから来るのかをまず感じて頂きます。そして、必ずご自身の中のある思考癖に到達します。

​​
​苦しみを与えれば、あなたは苦しみを受け取ります。

​憎しみを与えれば、あなたは憎しみを受け取ります。

愛を与えれば、あなたは愛を受け取ります。

喜びを与えれば、あなたは喜びを受け取ります。

​​

周りは自分を映し出す鏡です。

​周りがよく見えるあなたなら、自分の内側を見る目も持ち合わせているはずです。

​勇気を持って、自分で自分の思考にメスを入れてみましょう。

​これまで見えていなかったものが見えてくるはずです。

他人を自動的に評価している自分

たいていの人が気が付いていないことですが、

周りの評価を気にする人は、自分自身が他人を自動的に評価しています。

自分が周りに対して、批判、悪口、嫌悪感などのマイナス感情を抱く。

それは、自ら人をマイナス評価することに許しを与えていることと同じ。

人の批判を容認する自分だが、自分がされるのは嫌だ。

自分の言動がもし周りにマイナス評価をされたらどうしよう。

​​

自分のマイナス感情を周りに投影していた。それを、自分だけが受け取ることを怖れていた。これが、心の仕組みとはたらきの原理・原則です。

​なんと人目を気にする不安は自らが作り出していた。

これまで、考えたこともない思考だと思います。

周りを怖れる自分は、自らが作り出している。

​プラス感情の放出

この法則をうまく活用するためには、プラス感情を周りに放出してみることです。これまでマイナス評価を与える思考であったなら、プラス評価を見つける目を養い、それを感じて、言葉や行動に出す自分に変わりさえすれば、あなたにはそっくりそのまま喜びや愛などのプラス評価が返ってくるのです。

​アルフレッド・アドラーの「嫌われる勇気」という著書に、「自分の人生は自分だけのもの。人の期待に応えるのをやめ、自分が『人としてこうありたい』と思える行動を取るよう心がけるだけで、自由を実感できる生き方ができる。自分の素直な気持ちや意志を貫く勇気。いい換えれば、それは『幸せになる勇気』でもあるのです。」とあります。

​他人にあれこれと思いを巡らす思考パターンは、思い切って捨てましょう。

自分の内側を見つめ、陰から陽へエネルギー転換することで、すべてが変わってきます。

他人軸の人生 ➡ 自分に自信を持ち、自分軸でいられ人生
ストレスが多い ➡ ストレスフリーな自分
受動的・人から影響を受けやすい ➡ 能動的・人にうらやましがられる自分
自分を必要上によく見せる ➡ 自分を等身大に捉える
自己否定的 ➡ 自分を受け入れ、ありのままでいいと思える
失敗を他人のせいにする ➡ すべて自分が作っていると考える
不幸と感じる ➡ 何でも自分で作っていけると感じる​

プラスの感情は、こんなにも人生を大きく変えるエネルギーに満ち溢れています。

​これを人生に活用しない手はありません。​

人は、周りはよく見えるが、自分のことはよく見えてはいない。
「与えるものが受け取るもの」 これが一生使える人生の黄金則である。

​ 変えられるのは自分だけ

アドラーは、その著書「嫌われる勇気」で、嫌われる勇気を持つ必要性を語っています。

それには「自分の意志をきちんと伝えること」が最も大切であると。

そうすれば、周りがあなたの理解者になってくれるというのです。

ただ、このことは「自分の価値観を周囲の人たちに押しつけて、他人を変えようとすること」とは違うと理解しておくことが大切です。

「私たちは基本的に、他人を変えることはできません。周りの人たちに自分の価値観を無理強いすることは、人間関係のトラブルのもとです。」

​これが、良好な人間関係を保つ原理原則です。

でも、「変えられるのは自分だけ」とはいえ、人間関係において、​相手の言動に感情が動かされることもあります。

​メタ認知の働かせ方

そんな時には、自分の内面をメタ認知で捉えてみることです。

「私は、この人のこの言葉に傷ついているんだなあ。」

​「この人のこういうところが許せないと考えている自分がいるなあ。」

​そうして、自分の感情を収めつつも、内面を考える習慣がついていきます。

​あなたが自分の感情の背景に到達したときには、あなたは相手の理解者になっています。

​自分の意識を広げることが、あなたの見える世界までも広げることにつながる。

そして、多くの場合、自分が変わると周囲の人も変わらざるを得なくなります。

アドラー心理学は『勇気の心理学』です。

まず、自分が変わる勇気を持つこと。

これだけで、人間関係は改善され、悩みは薄らいでいきます。

人は、周りとのつながり中で生きています。アドラーの考え方は、自己本位の考え方ではなく、あくまでも周りとの共生の中で自分が生かされるというものだと思います。

まずは、他人を変えることはできないと心の中で決めること。

自分が変わると、周りも変わらざるを得ない状況を作り出せる。

医療とカウンセリングの違い​

​ 心療内科と精神科

まずは、混同されやすい2つの医療機関を区分けしてみましょう。

心療内科・・・心身症に該当する方が対象。簡単に言えば、強いストレス(災害、死別、いじめ、モラハラ、パワハラ、失業等)により身体症状に異常をきたしている場合。胃潰瘍、急性胃炎、動機、息切れ、めまい、不睡、摂食、過食のみならず、自律神経失調症、気持ちの落ち込み、不安の増大、意欲の減退などの症状が出た場合にも、心療内科で対応できます。そして、体の症状と心の症状を共にケアしていきます。

精神科・・・これに対して精神疾患として、「アルコール依存症・うつ病・強迫性障害・摂食障害・双極性障害・総合失調症・薬物依存症・パニック障害・不安神経症・PTCD・認知症」などに対しての治療を行うのが、精神科です。より、精神症状に焦点を当てた治療を行います。症状が重く向精神薬などが必要となる場合には、精神科にかかる方が適切です。とはいえ精神科でも、自殺の意思を持っていたり、人を傷つける可能性があったりするクライアントには、対応困難になります。場合によっては隔離して治療する必要があるため、より専門的な医師の診断が必要になります。もし、自分の家族に強い自殺願望を持った人がいる場合には、初めから入院施設があり、精神保健指定医が在籍する精神科を受診したほうがより適切な治療が受けられます。

私たちも、医療機関にかかる方が適切であろうと判断する場合には、包み隠さずそのようにお話しております。医療機関にかかっていても、心の状態を健全に保つために心理カウンセリングを併用することは可能ですので、ぜひご相談ください。

​ 抗不安薬について

うつや不安障害で処方される抗不安薬があります。これは、「精神安定剤」であり、不安を和らげる作用を持つ薬です。具体名は、「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」「セロトニン1A部分作動薬」の2種類です。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、不安を抑える作用があります。薬剤の作用時間は即効性のあるものから、服用後15~20分くらいで効果が出始めるものまでさまざまです。抗不安作用以外にも、「抗うつ作用」・筋肉の緊張を和らげる「筋弛緩作用」、ウトウトした状態にする「催眠作用」、けいれんを抑える「抗けいれん作用」などもあります。ただ、長期間あるいは多量の使用を継続することで、耐性や依存性が生じるという問題があります。

一方、セロトニン1A部分作動薬は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬のように、耐性や依存性が生じることはほとんどありませんが、効果が弱いという問題があります。そのため、現在セロトニン1A部分作動薬を使われることは少なくなっています。

抗不安薬の作用の強さは、だいたい3段階に分けられます。強ければ強いほど不安を抑える作用は強くなりますが、副作用も出やすくなり、耐性・依存性も生じやすくなります。ですから、医師の診断に基づいて、適したものを選ぶ必要があります。

なお、名前が違っていても効能が同じであるジェネリック医薬品もありますので、お間違いの無いようにしてください。例えば、エチゾラムという薬は、デパスのジェネリック(後発品)です。デパスと同じ効能を持つように製造されていて、研究開発費がかかっていないことにより、薬価が安いという長所があります。

薬の作用の強度

強い セパゾン、ワイパックス、レキソタン、デパス
中くらい メイラックス、セルシン/ポリゾン、ソラナックス/コンスタン、セディール、アタラックスP
弱い セレナール、リーゼ

効果持続時間

長い(24時間以上) セパゾン、メイラックス、セルシン/ポリゾン、セレナール
中くらい(12時間前後) ワイパックス、レキソタン
短い(6時間前後) デパス、ソラナックス/コンスタン、セディール、アタラックスP、リーゼ

量や時間など、症状に合わせて正しく服用することが症状の緩和につながりますので、必ず医師の指示に従ってください。

薬治は、つらい症状を少しでも和らげる対処療法です。一時的に症状を緩和させることを目的としたもので、根本的な治療ではないことを理解すべきです。改善されないからといって薬を多量に服用することは危険です。その場合には、薬治と心理カウンセリングの併用をご検討ください。カウンセリングを通して、心の持ち方、構え方を矯正していくことが可能です。

投薬治療は、あくまで一時的な対処療法だと心得ること。

​ 薬治とカウンセリング

心療内科や精神科にかかっていらっしゃる方が、よく私たちのカウンセリングを受けにいらっしゃいます。

​薬を飲むことは、なるべくなら避けたいと考えている方。
薬に頼りすぎて、薬物依存になりかけている方。
薬を長年飲み続けて、離脱症状を起こしている方。​

もちろん、それを理由にお断りをすることはありませんし、まずは状況を詳しくお伺いしています。

なぜなら、このような方々は、医療機関にかかってはいますが、薬による治療では改善が見込めないために精神療法で解決する意志をお持ちであり、ほとんどの方が能動的に治療する心の準備ができているからです。

​薬治に携わらない人間が、薬治について書くことに少しばかりの抵抗がありますが、あくまで客観的な視点で述べてみたいと思います。

まず、薬治の利点とは何か。

それは、つらい思いをしているクライアントにとっては、服用するだけで、改善の効果が期待できるという点にあります。例えば、苦しい思いで何も手がつかない状況であったり、強いストレスが原因で自律神経に支障をきたしていたりする場合には、薬の力で楽な状態を作り出すことができます。身体的にも精神的にも疲弊しているクライアントにとっては、これほど簡易な治療方法はないといえましょう。

生活療法で、

「〇〇という考え方で毎日を過ごしましょう」
「今日から毎食バランス良く食べてください」
「夜は10時には必ず寝るようにしましょう」

このように指示されても、クライアントがその通りにできないことの方が多いものです。自分でできないからこそ、薬の力で少しでも症状が緩和されることはクライアントにとっては、大きな救いになるのです。

反対に欠点を上げるとすれば、根本的な解決を望めないことです。薬治は、あくまでも心や体の症状を緩和させるための対処療法です。根本を治すということは、望めません。また、「薬を止めてしまうと元に戻ってしまう」ことから、「いつまでも薬を止められない」「薬漬けになってしまう」という事態を招いてしまいます。薬物依存の危険性は、昨今のニュースでも取り上げられていますね。離脱が出てくると明らかに薬物依存に陥っていると考えられます。

根本的な解決は、あくまでも自分から改善のための行動ができるようになったときに可能になります。

では、心の治療に対してどう考えるのがよいのでしょうか。

信頼する精神科医の先生は、以下のように解説しています。

​急性期は精神症状が重いため、薬物療法で気分を改善することを優先する。
薬物で少し気持ちが落ち着いてきたら、生活指導を取り入れ、精神状態を改善させる。
集中力がある程度まで改善したらカウンセリングも導入し、今後の再発予防を行う。

総括すると、薬による治療も必要な場合があるということ。

しかし、いつかは薬を絶つときが来ることを想定して、医師と相談の上で服用することが大切です。

そして、根本的な解決は、自らが回復したいと強く願えるようになったときにこそ望めるものであるということ。

私たち、精神療法を取り扱う心理カウンセリングは、それを手助けする立場なのです。

心理カウンセラーは、あなたの心の自然治癒を共に行うパートナーです。

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