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インナーチャイルドに振り回されない人生

心の理解と活用
2019年1月
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まずは、動画をご覧ください。

インナーチャイルドとお別れするには

子どもの傷ついた心

これは、私の成育歴の話です。

私は、長男として生まれましたが、小学2年生のとき、ある日突然、兄ができました。

兄は、4つ年上でした。

「よそにずっと住んでいた兄さんが帰ってきたんだよ。」

と母から説明を受けました。

私は、上と下を女姉妹に挟まれていたので、この出来事は神様からのプレゼントのように思えました。

それから、学校から帰るのが、本当に楽しみになりました。

自転車の荷台に乗せて、いろんなところに連れて行ってくれる。

遠出した帰り道、歩くのに疲れたら、おんぶしてくれる。

自分で完成できないプラモデルを、いとも簡単に仕上げてくれる。

「頼れる兄貴、かっこいい兄貴、何でもできる兄貴」

私は、ずっと本当の兄だと信じて疑いませんでした。

しかし、5年後に、私は耳を疑うような事実を母から聞くことになります。

兄は父の妹の子で、私のいとこにあたること。

父の妹が他の家に里子として預けていたが、家で引き取って一緒に育てたこと。

その時には、自分は小学校高学年になっていて、頭では理解できました。

でも、心が兄貴であることを疑うことができなかったんです。

これまでの一緒に過ごした経験がそうさせたのでしょう。

私は、ずっと兄貴だと思うことに決めました。

潜在的に自分の心を守ろうとしたのだと思います。

受け入れたくないこと。

認めたくないこと。

持ちつづけたいと思うこと。

人の心は、これを守るようにできています。

小さな私の防衛機制がフルに働きました。

その時、そんな大事なことを隠していた両親を恨みました。

潜在意識が自分を守るためにそういう感情を作りだしたのだと思います。

高校を卒業して、兄は、家を出ました。

それが、どういう意思であったかは、私にはわかりません。

成長していく過程で、兄への思いを手放していく自分がいました。

感情も過去のものとして、心に収めました。

兄への思慕、父母への恨み

今となっては、すべて幼かった自分の心のはたらきであったと理解できます。

すべて、自分の心が作り上げていた世界だったということです。

でも、今でもお互いに顔を合わせる時には、兄のような感覚を持つのです。

兄も自分を名前で呼んでくれるし、弟のように感じているのでしょう。

インナーチャイルドの原形

インナーチャイルドについては、心理学に通じた方でしたらご理解があると思いますので、その特性についてだけ書きます。

人は、受け入れ難いものに対して、我が身を守ろうと自動的に何らかの反応を起こします。

ものごころがついた子どもの場合には、周りの存在する人がすべて大人であることが多いため、強い防衛本能が働き、そのため自分の本当の感情を心の奥にしまい込もうとします。


例えば、親に何かを買ってほしいとせがんだところ、反対に叱られた子どもは、自分の欲求を語ることを止めることで、叱られない自分を作ろうとします。それで、身の安全が保障されるからです。

いつものように抱っこしてと母のもとに行ったときに、もうお姉さんなんだから我慢しなさいと言われた子どもは、我慢できる自分になろうとします。そうすることで、親の承認が得られるからです。


子どもは、大人相手には、肉体的に太刀打ちできないと本能的にわかっています。

しかも、子どもの思考は主観的で自己中心的ですから、その思いは、ことさら強いと解釈できます。

それを潜在意識の中に感情と共に強く押し込むことになります。

ポイントは、事実と感情が抱き合わせになっているということです。

押し込まれた感情は、そのまま眠り続けることになります。

これが、インナーチャイルドの原形です。

これが、心の中の大きな力となって働きます。

原形が決めごとに発展する

インナーチャイルドの原形は、様々な経験を積みながら、成長していくにつれ、自らの思考の中に、決めごととして形を変え、心に定着していくことになります。

上のような場合、成長して、何か行動を起こそうというときにその心を抑制する決めごとにつながったり、自分の感情を人に開くことを抑制する決めごとにつながったりすることがあります。

その他にも、決めごとは、様々な生きづらさを生み出します。

ものごとに対する不安感が強くはたらきやすい。
人間関係をうまく構築できない。
自分を責めてしまう思考を持ちやすい。
自らの意思で決断することをためらう。
人の要求通りに動いてしまう。
共依存になりやすい。
今、受け取っている結果をさかのぼってみれば、原因は自分の内側に存在しているということが、ご理解いただけることと思います。

インナーチャイルドの現れ方

インナーチャイルドの現れ方を、3つのパターンに分けて考えてみます。

じっくり支配型

完全に隠れたインナーチャイルド。心の奥底に押し込まれた感情が強いふたをされて、しまい込まれている状態。意識に上がってくることはないし、感じることもないが、それによって行動に影響を受けつづける場合。封印された感情を守るために、自らの行動が制限されているが、インナーチャイルドは気づかれないようにしている状態。

ときどき訪問型

ときどき顔を出してくるインナーチャイルド。子どものころの悲しみ、不安、恐怖などの感情が時々よみがえってくるパターン。何かの拍子に、子どものころのあるシーンを思い出して、感情が揺れ動くパターン。類似した状況が引き金になることが多く、その時の感情と捉えた事実が心の中で再現される。

いきなり表出型

何の前触れもなしにいきなり出てくるインナーチャイルド。忘れていたはずなのに、突然、過去の自分が現れて、感情が乱れることがある。本人にもまったく自覚がないが、いきなりふたが開かれて全身で飛び出してくる。落ち込んでいたり、精神状態が低下しているときに起こりやすい。

私のインナーチャイルドのケース

インナーチャイルドについて、セルフモニタリングをしてみるとよくわかるのですが、自分にはこの3つともあることを実感しています。

じっくり支配型は、私の場合には、人の助けを決して受けないという心のはたらきから感じることができます。

また、私には、人をまるごと信用しない猜疑心もあります。

その原型が、困ったときに手を貸してもらえなかった悲しさや悔しさ、本当にわかってもらいたかった気持ちをわかってもらえなかったときの寂しさなどの感情にあると思っています。

現在の生活に、不都合こそ感じませんが、行き過ぎると苦しくなることがわかっています。

時々訪問型は、以前の記事でも紹介していますが、自分の考えを簡単に話してはいけないというものです。

これについては、自分の原体験をいくつか感じることができます。

人にわかってもらえなかった悲しさや虚しさからくる、あきらめの感情がありました。

いきなり表出型は、私が40代前半の時に、体験しました。

私は、7歳の時に親に自分の上靴袋が気に入らなくて、母に周りのみんなと同じものが欲しいと駄々をこねたことがありました。

その時に、折檻を受けました。

腕を無理やり押さえつられ、泣き叫んで抵抗する私の中指の裏側に線香の炎を当てられました。

そこは、ぷっくりと水ぶくれになりました。

その晩、恐怖と悲しみにくれていたインナーチャイルドが突然現れたのです。

7歳の時のその光景がありありとよみがえってきたのです。

残業続きで精神的に弱っていたことに加えて、体調も崩していたことも関係していたのでしょう。

40代の男が泣きじゃくる姿はとても奇妙に思えますが、まさに私の心はこの時インナーチャイルドに占拠されていたのだと思います。

実は、大学生の時に、そのことを母親に話したことがありました。

そのとき、そんなことは覚えていないと言われて驚きました。

私は、こんな気まぐれな行為に心をずっと痛めていたのかと一時はあきらめにも似た感情で心をにごそうとしましたが、傷跡とともに体に刻まれていたのでしょう。

さすがに、この表出の仕方は、これっきりでその後、経験したことはありません。

痴呆症が進み、あと命幾ばくも無い母親の姿を見るにつけ、癇癪持ちの母親の心の生きざまをありのままに受け止める自分がいます。

母から受けた愛もひっくるめて、トータルに見つめる自分です。

どの形であっても、ある特定のインナーチャイルドが自分の中に確かに存在しています。

顔を出した時こそ気づくチャンス

インナーチャイルドの原体験は、独自の不都合な思考を作り上げ、今の生活に生きづらさとなって現れます。

その時には、必ず心がざわついたり、もやもやしたりしますので、その時こそ、ご自分の感情を開くチャンスとも言えます。

そして、自分の中にインナーチャイルドが現れた時には、押し込められた感情にフォーカスし、嘘偽りのない自分自身をたっぷりと感じてみることです。

インナーチャイルドの感情に区切りをつけるワーク

インナーチャイルドの感情を鎮めるためには、下記のワークが有効です。

そして、心のブロックに気づき、正しい仕組みとはたらきを学ぶことです。

1 過去の事実をまるごと感じる

感情が湧きあがったときには、ありのままに感じてみることです。一切の否定をせずに無条件に湧き上がってきたものを受け入れましょう。それがあなたの本当の心です。

この時に、自分にとって不都合なことやマイナスになることも、まるごと感じることが大切です。

感情を感じる過程で、自己防衛をして、自分にとって都合のいい感情だけを無意識で選ばないということです。

嫉妬心、羨望感、自己否定感、優越感、劣等感、差別感、見栄、欲望、孤独感・・・、認めたくない感情も素直な心で受け止めてみることです。

そういう感情は、誰にでも備わっているものですし、無条件に受け入れてくれる自分になら、心が開けるはずです。

自己受容の深さが大きなポイントになります。

2 過去の事実を緩める

①子ども時代の主観的な認知に過ぎないと理解する。

児童心理学で言われる子ども独特の思考の特性を理解します。主観的で、周りの状況を細かに読む力に欠け、かなり独善的です。その結果、現在のように完成されていない未熟な思考だったと捉えなおしができるようになります。

②他の視点からの思考を取り込んでいく。

親に言われたことがずっと気になっていたら、そのときの親の立場に立って、どんな気持ちだったかを考えてみます。子どもの時には思いもしなかった様々なことが、大人のあなたには見えてくるはずです。

③今は持ち続ける必要のないものだと強く心で決める。

人は絶えず変化しています。あなたにとって30年前なら、その時の周りの人にとっても30年前のことです。30年の間に心は変容していきます。執着心は、前に進むことを拒むエネルギーに満ちています。今となっては、すでに必要のないものと強く心で決めてしまうことです。

3 変えられないものと変えられるものに分類する

変えられないものは、親の存在・親の言動・置かれた環境などです。

これに対しては、すべて受け入れて、あきらめることです。

反対に、必ず変えていけるものがあります。

その過去の出来事によって、ご自分で作り上げた強い決めごとです。

「~しないようにしよう。」「~でなくてはならない。」「~するべきだ。」などの原型となるものが、そこに眠っていることがわかれば、それは大きな気づきです。

無理に何かを変えようとしなくても構いません。

これは、自分が作った変えられるものだなと気づくだけでも十分なんです。

4 決めごとを外した自分がどうなるかをイメージする

これまでずっと自分を縛り付けていた思考です。

簡単には外れませんが、決めごとのない自分はこれまで考えたことのない自分の姿です。

許しを与える感覚で、「すべていいんだよ。」と心の底から肯定してみてください。

そこに、何者にも縛られない本当のあなたの姿が涌現されていきます。

それが、マイナス思考の対極に存在するプラス思考のあなたであり、願うご自分の姿と重なるはずです。

5 行動を起こす

イメージに向かうための行動を起こしましょう。

どんな小さな行動でも、そのイメージから思いついた行動であれば、それを実現していきます。

ブロックの解放という原因が、新たなセルフイメージの構築という結果になり、

新たなセルフイメージという原因が、これまでとは違った行動という結果になり、

これまでとは違った行動という原因が、必ず新しい結果をあなたに運んでくれます。

インナーチャイルドの存在に気づく感じる・癒す・受け止める心のブロックに気づく新しいセルフイメージを持つ行動を起こす

自分の心を癒せるのは自分だけ

インナーチャイルドは、邪念を入れずに、本当の感情さえ受け止められれば、鎮まるものです。

それは、日常生活の中で、結構できることです。

ぜひ、チャレンジされることを勧めます。

ときどき、やり方がわからないからと躊躇する方がいます。

いろんなカウンセラーが、タッピングであったり、瞑想であったり、書き出しであったり、前世療法であったり、様々な方法を提案しますが、要は、自分の本当の感情に到達することなんです。

それらだって、疑心暗鬼の心で取り組めば、効果は期待できません。

自分の心を、本当に理解できるのは自分しかいません。

顕在意識は有限・潜在意識は無限

断捨離という言葉が流行して久しいですが、古いものを抱えたままで、新しいものを取り入れようとしてもなかなか入っていきません。

私たちは、普段意識している部分は、顕在意識と言われ、意識の中のほんの一部だと言われています。

しかも、人間の思い出せる思考や記憶にはキャパシティーがありますので、この顕在意識は有限のものです。

有限の容器の中に、苦しいものを置き続ける必要はありません。

反対に、心そのもの、つまり潜在意識は、無限の存在です。

心は、宇宙と一緒です。

過去のことはすべて、そこに永遠に刻まれています。

そこは、きちんと理解し、受け入れましょう。

あとは、そこに執着するかしないかの問題だと思います。

執着しているうちは、新しい行動を起こせませんし、新しい体験をすることもできません。

そもそもインナーチャイルドなどと言葉を定義していますが、自分の心は一つのはずです。

インナーチャイルドだけに執着することは、人生の停滞にもなりかねません。

終わりに

こころがモヤモヤした時には、それを手がかりにして、感情に向き合い、自分の心の仕組みをきちんと理解することです。

今この瞬間の心にうんとフォーカスし、顕在意識の中に喜びを取り込んでいきましょう。

限られた人生を、過去に左右されない新しい思考で生きていきませんか。

あなたの人生は、あなただけのものですから。

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