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カウンセラーが心得たい同情と共感の境界線

カウンセラーの学び
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共感と同情の違い

わかりますよ、そのお辛い気持ち。

私は、あなたのその苦しさを受け止めていますよ。

あなたが、そう感じることは何も間違ったことではありませんよ。

クライエント様の苦しい胸の内をお聞きして、そこにとことん寄り添っていく。

事実ではなく、心情を無条件に受容する。

これが、共感です。

それに対して、クライエントの苦しさに対して一緒になって、事実として語られることを肯定したり、相手を責めたりしたら、それは共感ではなく、ある種の同情でしかありません。

カウンセリングには、同情は全く必要のないものです。

 

同情が不要な理由

では、なぜ同情はカウンセリングには不要なのでしょうか。

理由の一つ目に、クライエントの現在の状況をすべて肯定してしまうからです。今ある悩みは、ご本人の思考パターンによって生み出された結果です。意識がその原因にフォーカスされ、書き換えられない限り、クライエントは同じ悩みという結果を受け取り続けることになります。事実を肯定されると、変わりたくない自分を固めてしまうだけです。

心の背景を確実につかみ、原因となる思考パターンを可視化させるのがカウンセラーの大きな役割なのです。

二つ目は、同情は、クライエントを100%被害者にしてしまうからです。かわいそうだと思う心で接すると、クライエントはその感情を受け取り、「自分は被害を受けている。」「悪いのは相手だ。」という意識から抜け出せなくなります。これも、変えたくない自分を固めることになります。

被害者にも加害者にもならない、自由な自分の創造のためには、被害者意識からは必ず脱していかなければなりません。

 

三つ目には、カウンセラーが自分の価値観でクライエントを評価することになるからです。カウンセリングでは、ありのままにクライエントを捉えることが何よりも大切なことです。

評価を与えることで、カウンセリングそのものが崩れることになり、クライエントは自らはばたく翼をもがれてしまうことになります。

ことの善悪、価値の高低、性格の良い悪い、などの一切の評価を加えない存在として向き合い、ただただその心を無条件に受容することがカウンセラーの務めです。

 

相談がもたらす結果

同情が入り込みやすいものとして、親しい人への相談があります。

親しい人に悩みを相談するという段階では、今受けている苦しい結果を自らの思考に原因があると捉える人はほとんどいません。それは、ただ単に自分の心をわかってほしい、立場を肯定してほしいという願いからの行動に他ならないからです。

聞いてもらって心がすっきりすることはあっても、心理学的な結果として起こりうることは以下の2つです。

①ああ、やっぱり自分は正しかった。このままでいいんだ。

②やっぱり、わかってもらえない。自分はなんてダメな人間なんだろう。

①では、自分の思考パターンがますます強化されますので、この先似たような行動を起こして同じ結果を受け取ることになるでしょう。人は、自ら変わりたいとは決して思いませんので、そこに賛同を得れば、このままでいいんだとの思いを強め、かえって苦しさを増す結果にもなります。

②では、自分の考えを否定されたり、相手の価値観を押し付けられたりして、心が傷つくことになります。わかってもらえなかったことで、これまで以上に自分を責め、マイナス感情を増大させます。その結果、人が信じられなくなったり、外部とのつながりを遮断したりして、孤立化していきます。悲観的な感情に支配され、自らのエネルギーを弱めていくことになります。

①も②も本当の解決にはなり得ません。結果的に相手の価値基準に振り回されているだけであり、自分軸が見えません。自分で自分の内側を見つめていく勇気を失っている方は、まずはそれを持とうと決断しなくてはならないのです。

クライエント様への敬意

悩みは、自らの思考パターンによる行動が生み出した苦しさであり、生きづらさです。

原因があるから結果があります。

どんなに不遇な環境で生まれ育とうとも

どんなにひどい仕打ちを受けていたとしても

どんなにクライエントが現在の状況に苦しんでいようとも

カウンセラーであるなら、同情と共感の違いは意識していきましょう。

同情はいわば哀れみであり、クライエントを低く見ることです。それに対して共感は、クライエントと人として対等に向き合い、その心に寄り添っていくことです。

傾聴しながら、心に寄り添い、今ある感情をたっぷり感じていただき、その背景にあるものを探り、心についての学びを共に深めていくのが真のカウンセリングで求められています。そして、この方となら必ず今より良くなれるという希望を与えられるのが本当のカウンセラーです。

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